読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

'10/10/11 : 降水量 22 ml ~ 逃げられなくて

 逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げただめだ、というのは某有名アニメの主人公の

セリフである。確かに逃げてはいけない事態も人生には多々あるが、別に逃げても

良い状況も同じくらい存在する。皮肉なのは逃げちゃいけない方は逃げられるのに、

逃げても構わない方が逃げられないことが多いところである。

 試験や面接は逃げちゃいけない典型だが、これは逃げようと思えば逃げられる。

「もうボク知らないっ」

 と言って頭から布団を被って家で寝ていればいいのだ。寝ているうちに試験は終わる。

受けなくてもちゃんと終わる。ただしそれに伴う代償はとてつもなく大きい。夕方に

なってから、

「やっぱり受ければよかった」

 なんて思っても後の祭りである。

 さて、先週の金曜日のことである。ボクは逃げても代償は大きくないのに、どうしても

逃げられない事態に遭遇した。

 九時過ぎから飲み始めたボクらは、日付も変わり、時計の針が二時を指した頃になって

ようやく店を出た。翌日(というここの時点で当日なんだけど)は十時半から英語論文の

輪読会があるので、一刻も早く帰って眠りたいところである。しかしある一言によって

その望みはあっさりと断たれてしまう。

「あんかけ焼きそば食いに行くぞ」

 繰り返すけれど、時刻は夜中の二時過ぎである。それでなくてもボクは少食で、既に

胃袋はパンパン。酒量も過剰。足ふらふら頭ガンガンの状態である。

 ボクがもし体重を気にする女性であれば、

「えー、こんな時間に食べたら太っちゃーう」

 とか何とか言って逃げることも可能なのだが、あいにくボクは男であった。その上

そんなことを言えば、

「テメーは少し太れこの野郎」

 そう怒られて私刑に遭いそうな体重をしているのである。気づけば両脇を元運動部の

俊足二人に固められ、逃げられなくなっていた。自慢じゃないがボクは運動音痴である。

当然足も遅い。たぶんそこらへんの中学生よりも遅い。しかもアルコールが入っていて、

走り出すと同時に転ぶ自信もあった。こうしてボクは夜中の二時に拉致され、なんとも

脂っこいラーメンを胃袋に流し込むことになったのである。メニューがあんかけ焼きそば

からラーメンに変わるまでに、は語るも涙聞くも涙の物語もあるのだが、そろそろ紙面も

終わりが見えてきたので割愛させていただく。結局家に着いたのは明け方四時半ごろで、

ボクはジャージに着替えるとシャワーも浴びずに床で寝た。

 結果から言うと翌朝はなんとか時間通りに起きられた。当然ラーメンはほとんど消化

されておらず、ゲップをするとニンニク臭い息が胃から上がってくる。二日酔いアンド

ニンニクのタッグは強烈で、油断するとオエオエしてしまいそうであった。ここだけの話、

食べた時間のせいか、それともラーメン自体に問題があったのか知らないが、ボクは翌日

今年一番酷い下痢に襲われた。この日は胃もたれのせいで夕食しか食べられず、かえって

痩せてしまった気がする。夜中ラーメンダイエットなんて聞いたこともないが、そういう

こともあるのである。

 そういうわけで(どういうわけだ?)ボクは酒焼けでガラガラの喉のまま輪読会に参加し、

その足で某大学の学園祭に参加、さらにその足で飲み会に参加し、さらにさらに翌朝七時に

室蘭に行くという超ハードスケジュール(全部自分のせいだが)をこなしたのである。

おかげで今日は一日うとうとして過ごしてしまった。ああ、まだ瞼が重い。うつらうつら。