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'10/11/04 : 降水量 25 ml ~ 本当にツイていないのか 1/2

 考えてみると星の下に生まれる、というのは妙な表現である。今は大抵病院の屋根の

下に生まれているだろうし、まあ、あっても自宅の屋根の下であろう。さらに上を見れば

確かに星は瞬いているのだが、これだけ距離があって星の真下もヘチマもあるまい。

第一よく聞く、

「不幸な星の下に生まれたのね。ヨヨヨ……」

 という奴。この言い方からすると不幸な星というものが存在するわけで、何の落ち度も

ない星からすれば迷惑極まりない話である。

 さて偏屈な屁理屈をこね回すのはこのくらいにして、ボクも先人の考え出したこの

表現を使ってみたい。

 ボクは行楽運のない星の下に生まれたようである。

 特に旅行関係が酷い。ボクが旅慣れていないからというのも否定しきれないが、

避けようがないトラブルが勝手に飛び込んでくるのである。ボクが冒険野郎で、

危険すれすれ、積極果敢な計画を立てているというのなら、トラブルに見舞われるの

もわかる。けれどもボクはどちらかと言うと石橋を叩いて渡るタイプで、どちらかと

言わなくてもヘタレのチキン野郎である。ましてや旅行という非日常においては、

なるべく安全な計画を立てる方なのだ。にもかかわらずすんなりといった試しは

一度もない。マカオへ行けば航空会社が倒産して現地に足止めを食らい、

グアムへ行けば豚インフルエンザが流行して帰国後一週間自宅軟禁の憂き目に

遭う。メキシコへ行ったときは給油で立ち寄ったバンクーバーになんと六時間以上

も足止めを食ったのだった。その上このときは飛行機が上空で故障して引き返す

という、信じられないような事態になったのだが、話がどんどん脇道へ逸れていっ

てしまうので、これについてはいずれ機会があったら話したいと思う。

 今回の旅行は高齢の祖父母が主役ということで、守りに守りを重ねたような

超守備的布陣を敷いての行程を組んだが、それでもトラブルは避けられなかった。

 一つ目は他でもない悪天候である。死者まで出した奄美大島ほどでこそなかっ

たものの、スコールのような大雨に見舞われたのだ。それも高速道路を運転する

たびにバケツどころか風呂釜をひっくり返したような大雨が降り、ワイパーを全開

にしても前が見えないのである。一度などは日がとっぷり暮れたあと、街灯が

少なく真っ暗な高速道路で大雨に降られ、ステアリングにしがみつくようにして

運転した。けれど不幸中の幸いというやつか、雨が降るのは屋内にいる時と車での

移動中ばかりだったので、ほとんど濡れずに済んだ。これは祖父母孝行している

ボクに対して、神様が気を使ってくれたのかもしれない。それでも一手に運転を

担っていたボクの消耗ぶりは酷いものだったから、神様ももうちょっと頑張って

晴れにしてくれれば良かったのに。ふんとにもう、半端なんだから。

(ツヅク)