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'10/11/07 : 降水量 26 ml ~ 地面をがりがり掘ると言えば

 今度の休みにボウリング行かない?と誘われて、

「いいよ。地質調査? それとも温泉掘り?」

 などと答えるやつはそれを生業としているか、余程のひねくれ者かのどちらかである。

現代日本でボウリングと言えば大きな機械でごりごり地面を掘るアレではない。十ポンド

前後の玉を「どっせーい」あるいは「ぬうりゃあああ」と投げ、二十三.七二メートル(今

調べました)先に並べられたピンをドッカンバタバタガッタンバラバラなぎ倒すあのゲーム

である。

 ボクが今までの人生の中で一番ボウリングに通ったのは、専門学校に在籍していた

三年間であった。二学年上の先輩がボウリング好きで、実習がない日や半ドン(って

今日び聞かないなあ。意味通じるだろうか)の日に遊びに行っていた。余談だが専門学校

には一癖二癖どころか、三癖四癖もある教員が揃っていたので、受付時にその名前を

登録してモノマネをしながら投げるという変則的なボウリングが常であった。ただ少し

ばかり行き過ぎたモノマネをしている以外は普通のボウリングなのだが、とても楽しかっ

た覚えがある。余談終わり。とはいえ通っていたといっても年に十回も行かない程度

なので、全く大した頻度ではない。そのうえ専門学校を卒業してからというもの、

すっかりボウリングとは縁遠くなってしまい、先日まで実に四年近く一度も行っていな

かったのである。

 魔球ベーダーボール三号を引っ提げての参戦となった今回のボウリングだが、

そのスコアたるや散々であった。ちなみにベーダーボール三号とは針の穴を通すよう

なコントロールを駆使し、十本のピンのうち端にある一本だけを倒すボールである。

ちなみにちなみにベーダーボール一号は振りかぶった拍子に後ろに向かって投球する

魔球で、二号は隣のレーンに向かって投球する魔球である。一号と二号は使用すれば

すべからく叱責を受けるうえ、下手をすれば怪我人が出るため封印された。ちなみに

ちなみにちなみに、どれも利用価値は限りなく薄いのが玉に傷である。

 話をスコアに戻そう。

 そもそも一番頻繁に通っていた時期でさえ、ボクのスコアはせいぜい百十。ともす

れば二桁という情けないものだったのだ。

「今回は九十くらいかなあ。久しぶりだし」

 などと思っていたのだが、実際に投げてみるとなんと六十台という、予想を遥かに

下回る奇跡の低空飛行っぷりを露呈してしまったのであった。なにしろ初めの疑問が、

「俺って何ポンドの玉投げてたんだっけ? 」

 で、二番目が、

「どうやって投げるんだっけ? 」

 だったのだから手に負えない。人間自転車の乗り方なんかは一度覚えると忘れない

というから、ボクの頭はニワトリ級(球と級を掛けたわけではありません。念のため)

である。ボールはボクの手を離れるたびに右へ左へ逸れまくり、その右往左往ぶり

たるやボクの実験のようである。しかし端にある一本は倒せたので、ベーダーボール

三号はなかなかの完成度であった。この魔球の弱点は、九本倒して端に一本だけ

残った時は使えないというところである。そういう場合に限ってボールは真ん中あたりへ

吸い込まれ、ガタタンという切ない音だけを残して暗闇の向こうへ消えて行ってしまう。

「これが一球目だったら! 」

 などと後悔しても無駄である。後悔先に立たず。人生あとから悔やむからこそ後悔と

書くのだ。

 ボウリングの話をしていたはずが、いつの間にか人生論になってしまった。すっかり

本題とは逸れてしまったが、つまるところ何が言いたかったかというと、

「誰かボクにボウリング教えてくれない? 」

 これに尽きる。