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'10/12/26 : 降水量 37 ml ~ 小さな反乱分子 2/2

エッセイ

(この日記は前回の続きです。まだの方はこちらからどうぞ)

 そんな経験があったので、今回もなにかの見間違いかもしれないと思い、一応湯船に入って

はみたのだがやはりお湯が無い。深さにして僅か数センチ。立った状態でくるぶしの辺りまで

あるかないか、といったところである。ボクの記憶が確かなら、妹は半身浴と言ったはずで

ある。しかしこの深さのお湯に半身が浸かるのは一反木綿くらいものだろう。ヨークシャテリア

だってお尻しか浸からない。結局この日はシャワーで我慢したのだが、調べてみるとどうも

どこからかお湯が漏れているらしい、ということが分かった。とはいえ眼鏡をかけた状態で

じっくりと湯船を観察してみても、ひびが入ったりしている様子はない。

「ははーん、ゴム栓が逝ったんだな」

「真実はいつも一つ!」

 などと呟きながらしたり顔でゴム栓を調べてみたが、やはりこれといった異常は無い。

これでは業者を呼ぶしかあるまいと諦めかけたとき、ボクの目になにやら小さな物体が映った。

緑色で大きさはビーズくらいである。

「なんじゃい? 」

 と摘み上げてみると、なんとそれは柚子のヘタであった。奇しくもこの前日が冬至で柚子湯に

浸かったばかりであった。そのときのヘタが栓と湯船の間に挟まり、ちょろりちょろりとお湯を

漏らしていたのである。わかってみればなんともくだらない理由であった。かくして迷探偵小津

の活躍により、我が家の風呂事情は守られたのであった。ぬはははは。

(終わり)