'11/01/12 : 降水量 42 ml ~ 電力消費箱 2/2

(これは昨日の日記の続きです。まだの方はこちらから先にどうぞ)

 ソニータイマーが発動することもなく、九年間働いてきたコンポの調子がおかしくなり始めたのは、

去年の夏ごろであった。ボリュームには一切触っていないのに、勝手に音量が尻すぼみになっていって、

音が出なくなってしまうのである。これが数秒で回復することもあれば、一日直らないこともあった。

これはなかなかどうして致命的である。

 コンポの機嫌によっては音が出たり出なかったりします。

 そんなコンポ見たことも聞いたこともない。というか音が出ない時点で電力を消費するただの箱である。

それでもへそを曲げたコンポをなだめすかし、ご機嫌を伺いつつ騙し騙し付き合ってきたのだが、

いよいよ限界が訪れた。入れたCDが出てこなくなったのである。

「コンポは九年経つから諦めるが、CDは返してくれい!」

 と揺すってみたが一向に出てくる気配は無い。気分は道を踏み外した昔馴染みの襟元を掴み、頭を

ぶんぶん揺するアレである。ならば、とドライバーを持ち出し片っ端からネジを外し、なんとか

かんとかCDは取り出したのだが、元通り組み立て直してみると、なぜかネジが十本以上余ってしまっ

た。お約束である。結局はこれがトドメとなり、コンポは処分することになった。

 それが昨年末の話である。大掃除のついでに「さあ、捨てましょう」とカレンダーを確認した

ところ、年内の燃えないゴミの回収は全て終わってしまっていた。おかげでそれはボクの部屋の床に

転がされたまま年越しを迎えることになった。安物とはいえコンポという以上、本体とスピーカーで

構成されており、場所をとるったらない。寝ぼけて何度も足の小指をぶつけて悪態を吐いた年末年始

ではあったが、ぽっかりとスペースの空いた棚をみると、やはり少し寂しい。コンポよ、九年間

ありがとう。

(オワリ)