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12/07/25 : 降水量 54 ml ~ 色内イワシ釣行

小樽

 僕は休憩の度に天気予報をチェックし、見慣れた傘マークを眺めてはうんうん

唸っていた。

 先月末から小樽港にイワシの群れが入ってきていた。

 そんな折に平日の休みをもらえたので、釣りに行く予定を立てたのである。しかし

例によって予報が雨になっていた。例によって例によってずっと晴れだった天気予報が、

例によって例によって例によって釣行の3日前くらいから曇りになり、例によって例に

よって例によって例によって前日にはばっちり雨に変わっていた。お約束である。

もはや驚かない。

「多少の雨なら強行するから!」

 そう宣言しての当日、外に出てみると雲間から星が覗くなかなかの天気。珍しい

こともあるものである。

 わいわいと夜も明け切らぬ札幌を出発し、小樽港色内埠頭に到着したのは午前4時

過ぎであった。平日であるにもかかわらず埠頭にはたくさんの車が停まり、目を付けて

いたポイントは釣り人でいっぱいであった。やむを得ず空いていた場所に入ったが、

全く釣れる気配がない。周りを見回してみると一等地の角だけが入れ食い状態で、

それ以外はときどき単発で釣れる程度。角から離れれば離れるほど釣果は乏しい

模様である。僕らは撒き餌を撒き撒き、買い込んできた自分達用の餌を胃に納めた。

 それにしても良い天気である。釣り場に到着したのが日の出とほぼ同時刻。既に

周りは十分に明るかったが、程なくして正面から橙色の太陽が上り、剥き出しになった

僕らの腕や首筋をじりじりと焼いた。いつまでたってもピクリともしない竿先を見つめ、

僕はじりじりと焦れた。既に同行者は隣で座ったまま寝ている。彼はここへ来るまで

一睡もしなかったという。

「なんたることか!」

 ついに僕は痺れを切らし、やや遠い場所も含めて他の釣り人の釣果を見て回った。

そして良い場所を見つけたのである。彼らは僕が見ている前で次々にイワシを釣り

上げた。しかもその隣が空いていて、聞けば入って良いという。いそいそと荷物を

まとめ、移動を済ませたときには8時を過ぎていた。釣り始めて4時間も経っていたが、

今のところ人が釣った魚以外は1匹も目にしていない。がるるっと結果に餓えて釣り糸

を垂らして30分、先ほど寝ていた同行者に今日1匹目のイワシが釣れた。20センチ近い

なかなかの良型である。その後、飽きない程度にぽつらぽつらと釣れ続け、納竿した

10時30までに44匹のイワシを釣ることが出来た。数こそ去年より少ないものの、

サイズは一様に大きい。針の大きさは6から7号で十分なほどである。結局2時間で

一人10数匹の釣果であった。サビキ釣りであることを考えると、やや物足りない数字

ではある。けれど捌くことを考えれば妥当なところであった。

 僕はほとんど寝ずに釣行から帰り、洗うものだけ洗って歯医者へ行き、居眠りをし、

美人の歯科衛生士ときゃっきゃうふふしたあとに39匹のイワシを捌いた。大活躍である。

八面六臂といっても良い。誰も言ってくれないから自分で言う。

 鮮度抜群のイワシ達はほんの一部がイワシフライになり、大半がオイルサーディン

になった。非常に美味い。麦酒との相性も抜群。これだから釣りは辞められないのである。