'10/11/05 : 降水量 25 ml ~ 本当にツイていないのか 2/2

 そして二つ目にして今回最大の鬼門だったのが、車での移動であった。脈略の

ない文章で申し訳ないが、ボクは運転が嫌いである。理由は簡単。運転がヘタクソ

なのだ。元来の運動音痴が災いしてか、運転が本当にヘタクソ。乗るたびに

数回は「危ない!」と思うほどである。それだのにボクが一人で運転しなくては

ならなかったのには理由がある。我が家は家族五人のうち四人が普通免許保持者

なのだが、母親がここ数年一度も運転していないペーパードライバー。妹一号は

免許取得後二度しか運転していないスーパーペーパードライバーなのである。

実質運転できるのはボクと父親の二人だけなのだが、今回の旅行に両親はついて

こない。二ひく一は一、という小学生一年生レベルの算数である。そこへ持ってきて、

車のサイズを大きくしたのも災いした。祖父母に狭い思いをさせるのも悪かろう、

荷物も多いだろうし、と親切心から車のクラスを選んだのだが、これが大きな間違い。

いざ車が目の前に来ると、それは予想よりさらに一回りも大きかったのである。

「一回りくらい大したことないじゃーん」

 と思うのは運転が得意な方に違いない。そもそも自分の体でさえもてあまし気味で

あちこちぶつけているのに、車というのはその何倍も大きい。それがさらに一回り

大きくなるのだから、その影響は推して知るべし。札幌での契約の時に戻れるなら、

「ああ、多少車が大きくても大丈夫だよ」

 などとうそぶいた自分の横っ面を張ったのち、床に正座させて小一時間説教をして

やりたい気分であった。

 それだけではない。

 あまり威張れた話ではないのだが(ここまでも威張れた話など一つもなかったが)、

我が家の車にはカーナビというものが付いていないのである。そのためレンタカーに

付いたナビの使い方がイマイチわからず、レンタカー屋を出て五分で道に迷うという

奇跡まで起こしてしまった。そもそもナビに入っていた地図が古いのが悪いのだ。

ドンドンッ(机を拳で叩いた音です、念のため)。そのせいで最近出来た高速のインター

が乗っておらず、本来であれば数分でたどり着くはずのインターまでなんと三十分

以上もかかってしまったのである。その後も行くはずだったおきなわパークに

目的地を設定したはずが、到着してみると全然関係ない路地だったり、最寄りでは

ないインター(ナビに内蔵された地図では最寄り)で降ろされたりと、思わず目を塞ぎ

たくなるようなトラブルが続出した。

 こうして毎日百キロを超える距離を、それも雨の中で運転し続けたのだが、

かろうじて事故を起こすこともなく、車をこすることもなく、無事に札幌まで帰ってくる

ことができた。そういえば行く先々でトラブルに見舞われながらも、結局は無事で

帰ってきているのだ。運が悪い悪いと言いつつも、ボクは実は幸運なのかもしれない。

(オワリ)